あるところで元政府の高官と夕食を共にする機会がありました。よい機会なので世界中の国々を巻き込んだTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の貿易交渉について尋ねてみました。ICT(情報通信技術)分野における交渉で、日本政府の注力が足りないように思っていたからです。「きっとコメの方が重要だったんじゃないの?」という回答が返ってきました。 TPP関連のニュースでは、日本では農林水産物の関税撤廃ばかりがニュースになっていますが、米国政府の資料をみるとずいぶん様子が違います。ICT産業はアメリカにとって輸出製品の柱であり、多くの雇用を抱えています。「クラウドは米国GDPの6%で300万人を雇用している」なんて書かれた資料もありました。米国の本音は牛肉よりもクラウドのようにも見えます。 TPP交渉では米アマゾン・ドット・コムや楽天が手掛ける電子商取引や、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)やセールスフォー