最終更新:2018/02/22 『漁港の肉子ちゃん』 著者:西加奈子(第152回直木賞受賞) 出版:幻冬舎 論評・あらすじ・感想 今をときめく「直木賞作家」となった西加奈子さんが描くいわゆる「西加奈子ワールド」と、しっかりと確立されたストーリー性がバランス良く織り交ぜられ、小さな港町に生きる母娘とそこに生きる人々の生活を、娘の視点を通し瑞々しく活写し、読む者を勇気づける素敵な作品に仕上がった。 悪い男(ダメな男?)に何度もだまされ、日本中を流浪し辿り着いた小さな漁港の町。その漁港にある"焼き肉屋"「うをがし」で住み込みという形でやっと腰を落ち着けて定住を始めた母娘。住人同士がほとんど顔見知りの田舎町で、太っていて不細工な母・肉子ちゃんはマイペースで無頓着、自由奔放で、めちゃめちゃ明るい。母に似ず?綺麗な顔立ちで冷静な性格の娘のキクリンは、奔放過ぎる?母を少し恥ずかしく思い、小学校ではクラス