今年のノーベル平和賞は、性暴力被害者の治療・救済に取り組んできたコンゴ民主共和国の医師、デニ・ムクウェゲ氏と、イスラム国(IS)から受けた性暴力を証言してきたイラク・クルド民族少数派のヤジディー教徒のナディア・ムラド氏の受賞が発表された。 授賞理由について、ノルウェー・ノーベル賞委員会のベリト・レイス=アンデルセン委員長は「戦争や武力紛争の武器としての性暴力」の撲滅に両氏が貢献したことを挙げ、「戦時下の性暴力を白日の下にさらし、犯罪者への責任追及を可能にした」と語った(毎日新聞、6日朝刊)。また、アンデルセン委員長は「MeTooと戦争犯罪(との闘い)は異なるが、共通点もある。それは虐待の実態と女性の苦しみに目を向け、性被害が恥だという概念から女性を解放し、声を上げることの重要性だ」と言い、〈性暴力根絶に向け、さまざまな立場の者が連帯して取り組む必要性を訴えた〉という(時事通信、6日)。 か