学校の先生がとても忙しいことは、ずいぶん知られるようになった。小中学校の教員が世界で一番長時間労働であることは、OECDの調査でも、わかっている。だが、背景を正確に把握している人は、それほど多いわけではない。 「先生たちは、どうして、こんなにも忙しいのですか?」 「学校は遅れていたとはいえ、IT(ICT)の導入も多少はしているでしょう。昔はプリントづくりや成績処理もほとんど手作業でした。なのに数十年前と比べて明らかに忙しくなっている。なぜ?」 こういう質問を、マスコミの方や教育関係者からよくいただく。複雑な背景、経緯があるので、ひとこと、ふたことでは説明しづらいが、いくつか踏まえておきたいことを、今日はお話ししたい。 ※もちろん、学校種や学校ごとに違いはあるが、今回はおおよその共通点について述べる(例:小学校と高校ではずいぶん多忙の要因は別だ)。 (写真:アフロ) ■いじめ、貧困への対応、