「やわらかな表現は批判を避ける意味で賢明かもしれないが、言うべきことははっきりと言うべきだ」。夫婦の老後資金として「30年間で約2000万円が必要」との試算が盛り込まれ、麻生太郎副総理兼金融担当相が11日に受け取りを拒否した金融庁・金融審議会の市場ワーキンググループ(WG)の報告書をめぐり、議論した民間委員からは、年金給付の水準が先細る厳しい現実を指摘する声が相次いでいた。【野原大輔】 3日にまとまった報告書は、先月22日の当初案から、「公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」などの表現が削除された。