日米首脳は、ホワイトハウスの一室で、ハンバーガーを前に、マスクを着用したまま見つめ合っていた。 バイデン大統領が、初めての対面形式の会談相手として、菅首相を招いて行った日米首脳会談。共同声明では約半世紀ぶりに「台湾」を明記し、中国を強くけん制した。「雰囲気はすごく良かった」と出席者が口をそろえ、首相自身も「私と似ている」と“ベテラン政治家”同士の相性に手応えを語る一方、ある政府関係者からは「米中の事実上の軍拡競争に日本は巻き込まれている」との声も上がる。 いったい何が起きているのか。舞台裏を探った。 (ワシントン支局長・矢岡亮一郎) ■食べない“ハンバーガー会談” 「いろいろ人生経験とかの話をして、ハンバーグ(注:ハンバーガー)も全く手をつけないで終わってしまった。それくらい熱中した」 会談終了後、菅首相は少し頬を緩めながら、バイデン大統領との「テタテ」と呼ばれる1対1の会談を振り返った。