国際結婚した貴子(仮名)には、子どもの分も含めて多くのパスポートがある=2022年11月29日午後4時53分、宮川佐知子撮影 親の信仰の影響を受けて育つ「宗教2世」。安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに、多くの当事者がその体験を語り始めています。信仰とは、家族とは、生きるとは。寄せられた「声」をシリーズで届けます。 声を聞いて・宗教2世(7)貴子の場合 「将来は神様が選んだ相手と結婚するのよ」。小学生の頃から、母にそう言い聞かされて育った。友達とプールに行きたいと告げると「異性には近づくな」と叱られた。 宗教活動にのめり込んだ母はいつも帰りが遅かった。その理由を尋ねると、母は力を込めた。「地上天国を作らないといけない」 関東地方に住む貴子(仮名)=40代=は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の宗教2世だ。 中学時代から教会に通い、教団が選んだ見ず知らずの外国人男性と結婚するため、20代で