「30年後には世界銀行の代わりになる、そんな夢をもっています」 NPO法人「Living in Peace」の創設者慎泰俊(後編) 日本の若きグローバル・シェーパーズたち 第2回 文:上阪徹 NPOを立ち上げたのに会社を辞めなかった理由がもうひとつあった。自分に力がないのに、社会貢献などできるのか、という思いだ。まずはスキルを高めないといけない。そのためにも、会社にいる意味は間違いなくあった。とりわけ、金融業界で培った経験は大きく生きた。途上国には、金融サービスを受けられないことによって、なかなか貧困から脱却できない人たちが大勢いた。そんな人たちに融資するマイクロファイナンス機関を支援するファンドを、自分たちで立ち上げてしまうのである。 貧困削減のために自分たちに何かできないか、というテーマで勉強会を開いたのが、2007年10月。マイクロファイナンスというテーマが見つかったのが、その半年