「今の仕事していなかったら、国産材を使うかなあ」 この言葉は、国産材の利用普及を推進している人々と会食していた時に出た言葉である。立場上、何より国産材を使わねばならない人たちなのだが、プライベートな自分に立ち返って「本当に国産材を使いたいか」と問われれば、躊躇する、と言ったのだ。なかなか表に出せない本音である。 現在の日本の森林は、有史以来最高と言われるほどの資源量を誇る。戦後営々と植林を続けてきた結果、1000万ヘクタールを超える人工林が造られ、植えて40年~50年以上たって収穫期が近くなった。少なくても間伐を行わねば、人工林は混みすぎて木々はもちろん、土壌保全などの点からも山の状態は健全にならない。そして間伐した材も、十分資源として使える太さに育っている。 だから、政府も「木づかい運動」を展開して、国産材の利用を推進している。国産材の需要が増えたら、林業が活発になって、山の整備も進むし