パパイアを両手と口で運ぶチンパンジー=京大霊長研提供 ふだん4足で歩いているチンパンジーは、貴重な餌を大量に運びたいとき、2本の足で立って歩きがちになることを、京都大など日英米ポルトガルの国際チームが見つけた。人類が立つようになったのも、貴重品の持ち運びに便利だったからかもしれない。米生物学誌で発表した。 京大霊長類研究所の松沢哲郎教授らは、ギニアの森林にある野外実験場で、2種類のナッツに対するチンパンジーの行動を調べた。現地でどこにでもあるアブラヤシというナッツを運ぶときより、現地にはない貴重なクーラというナッツを運ぶときの方が、チンパンジーが二足歩行になる率が4倍に増えた。クーラを一度にたくさん運ぶため口も使っていた。果樹園のパパイアなどを盗むときも手や口を使って二足歩行になっていた。(鍛治信太郎)