[7.13 ブラジルW杯決勝 ドイツ1-0(延長)アルゼンチン リオデジャネイロ] ドイツの優勝を告げるホイッスルが鳴り響くと、ベンチを一目散に飛び出した。GKマヌエル・ノイアーに抱き付き、次々とチームメイトと抱擁をかわすFWミロスラフ・クローゼの目には涙も浮かんでいた。 “4度目の正直”だった。2002年の日韓大会から4大会連続のW杯出場。4大会連続でゴールを決め、今大会の2ゴールでW杯通算16得点とし、元ブラジル代表FWロナウドが持っていた歴代最多得点記録を塗り替えた。新たな歴史をつくったストライカーも、しかし優勝だけはあと一歩のところで逃し続けてきた。 「一度(2002年)は準優勝、2回(2006年、2010年)は3位だった。これはW杯なんだ。その事実を受け入れることは難しかった。ここでトロフィーを掲げることがずっと夢だった」 1トップで先発したクローゼは後半43分にMFマリオ・ゲッ