金型に刻み込んだ寸法が数十nm~数百nmの凹凸を,基板上に塗布した樹脂材料に押し付けて形状を転写する技術。転写の工程は数分で終了し,同じ形状の部品を短時間で大量に作り出せる。ナノインプリント技術で使う金型は通常,電子線露光技術とエッチング技術を使って作る(図1)。 ナノインプリント技術の利点は,さまざまな特徴を備える部品を,リソグラフィとエッチングを使う従来のパターン形成技術に比べて低コストで作れる点である(図2)。その代表例が各種の光学部品であり,光の反射防止機能をディスプレイの各部品に設けたり,1/4波長板を他の光学部品の表面に作り込んだりできる。製造コストを低減できるのは,ナノインプリント技術で使う装置の構成が簡便で従来技術の装置に比べて安くなる上,製造時間も圧倒的に短くなるからである。またナノインプリント技術では,リソグラフィ技術やエッチング技術と比べて,形成できるパターンの種類が