SLAとは「サービスの提供内容とサービスレベルについて、サービスの委託側(以下ユーザー)と提供側(以下サービス提供者)が合意した文書」である。サービスが提供する品質基準を定義し、サービス品質を可視化することで、段階的にサービス品質を改善するのが目的だ。
ユーザー企業がクラウドサービスを利用する際や、システムの運用保守をITベンダーに委託する際、サービスの内容だけでなくシステムの稼働率やレスポンスタイム、障害発生時の対応力といったサービスの品質(サービスレベル)も重視するだろう。 サービスの利用契約を締結する際、ユーザー企業とITベンダーがサービスの品質基準を明確に規定し、それを達成できなかった場合の対応方法などを合意するものが、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)である。 サービスレベルを事前に合意しておくことで、「思っていたサービスと違う。この程度の処理能力しかないのなら、そもそも使わなかった」(ユーザー企業)、「料金を抑えているのだから、このレベルの性能は妥当。文句を言うなら、もっと高額なサービスにすべきだ」(ITベンダー)といった不満や、それに端を発する紛争を未然に防ぐことができる。 ただし、SLAの策定時は十分に注意を払う必
自社運用(オンプレミス)のメールシステムからクラウド型メールへ移行する場合、企業のシステム管理者であれば、「システムに問題が生じていないか」「障害が発生しているならどのように対処が進んでいるか」といった情報の提供体制を把握しておきたい。システム運用を外部に委ねるクラウドだけに、システム管理者が自らメールシステムの障害対応に当たることはないが、従業員からのクレームの対処などを考えると、システム稼働状況は常に分かるようにしておきたいものだ。 グーグルの「GoogleApps(Gmail機能を含む複合アプリケーション)」では、システム全体の稼働状況を「Status Dashboard」というWebページで、ほぼリアルタイムに公開している(写真1)。得られる情報は限られるが、不具合が生じた場合に、Google Apps側に障害が発生していることが原因なのか、自社側に問題があるのかを知る目安として使
前回に引き続き「第1回クラウドランキング」の調査結果から、クラウド関連サービスの相場を紹介する。今回はシステム部門が最も懸念する信頼性について解説する。題材は前回と同じく「クラウド基盤サービス(PaaSやIaaS)」である。 クラウド基盤サービスにおける「保証サービス稼働率」の相場を図1に示した。驚くべきことに半数に当たる27件のサービスは保証稼働率を公開していない。「個別対応」という歯切れの悪い回答も6件ある。 国内のユーザーはシステムダウンに対して非常に厳しい目を向ける。悪い言い方をすると寛容さに欠けている。これらのユーザー向けにサービスを提供することを考えると、保証サービス稼働時間が「非公開」や「個別対応」のサービスは選びにくい。 日経コンピュータと日経BPコンサルティングが情報化戦略の意思決定者を対象に9月に実施した別の調査では、回答者の22.9%がクラウドサービスに関する改善要望
企業システムの運用担当者は,「サービス・レベル管理(SLM)」を積極的に採り入れている。SLMでは,ITサービスの品質目標を数値などでユーザーに提示し,合意と協調に基づいてその品質を保証する。多くの先行事例から,運用担当者が意識すべき「現場の鉄則」が見えてきた。それは,(1)サービス・レベル項目は少数かつ明瞭に,(2)維持または改善につながる関連指標を管理,(3)上流工程(設計/開発)を巻き込む――の3つである。 「運用の責任範囲と対価を明確にしたい」(コマツのシステムを開発/運用するクオリカ アウトソーシング部 統括マネジャー 本村正義氏),「ユーザー部門とのコミュニケーションを円滑にしたい」(キリン・グループのシステムを開発/運用するキリンビジネスシステム 経営企画部 担当部長 門田晴裕氏)。こうした理由で,「サービス・レベル管理(SLM)」に取り組む運用現場が増えている。 SLMとは
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