白亜紀のブラジルに暮らしていた小さな羽毛恐竜が、原産国から持ち出された重要な化石を返還するキャンペーンの主役になっている。(ILLUSTRATION BY BOB NICHOLLS, PALEOCREATIONS.COM) これは古生物学にとって画期的な決定になるかもしれない。ドイツ当局が他に類を見ない羽毛恐竜の化石をブラジルに返還すると発表した。 この恐竜は1億年以上前のブラジルに暮らし、「ウビラジャラ・ジュバトゥス(Ubirajara jubatus)」と名付けられた。先史時代に存在したどの生物とも異なり、肩から槍のような長い羽毛が突き出ていた。現代の鳥と同じように、社会的地位を争うため、あるいは求愛行動のために使われていた可能性が高い。このよく目立つ羽毛が名前の由来だ。ウビラジャラはブラジルの先住民トゥピ族の言葉で「槍の神」を意味する。 この発見は2020年末に学術誌に発表され、高く
![疑惑の化石で論文が撤回された恐竜「槍の神」 ブラジルに返還へ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/554387e861dd287595a8af6583ec656904c73309/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnatgeo.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Fnews%2F22%2F072200337%2Fph_thumb.jpg)