3大会連続の出場が決まった稲本だが、これまでとは一線を画す舞台となりそうだ。 「ほっとしました」。代表入りを知ったときの心境を問われ、素直にそう口にした。輝かしい経歴には似つかわしくないが、W杯出場を目指して日本復帰を果たしたことを考えれば、心中は想像できる。 昨年6月の最終予選には招集されなかった。2002年に初出場を果たしてから初めてのことで、「やばいなと思った」と振り返る。仏・レンヌでは半年間で5試合の出場にとどまったが、川崎に移籍して試合勘を取り戻してきた中での代表入り。「ベストのコンディションで臨めるのでありがたい」と感慨を込めた。 横浜で行われた02年大会ロシア戦でゴールを挙げて日本に初勝利をもたらすなど、大舞台で一段と輝きを放ってきた“W杯男”。だが今大会、自らに課す役割は一味違う。「前回は初戦で負けてチームが下を向いたけど、もし負けても、士気を高めることを考えたい」と