宇宙船? それともガチャガチャの巨大カプセル? 通りすぎる人々の首をかしげさせてきた兵庫県警尼崎南署西分庁舎(旧尼崎西署)の「赤い球体」が、今年中に始まる庁舎解体に伴って撤去されることになった。斬新なデザインはイベントにも使われて人気だっただけに、市民から惜しむ声も。地元の剣道クラブが稽古をしてきた4階の道場もなくなり、いずれも半世紀を経て役目を終える。(浮田志保、竹本拓也) 球体の名称は「交通安全祈念塔」(直径2・7メートル、高さ12メートル)。1974年に交通安全協会が設立20年を祝って建てた。発案者は不明だが、球体には事故ゼロ(0)への願いが込められているという。 尼崎南交通安全協会事務局長の稲田さとみさん(56)によると、主に活躍するのは交通安全キャンペーンのときだ。中に入るとマイクや放送設備があり、窓から国道2号交差点を見渡しながら交通安全を呼び掛けたり、マナー順守を促すテープを