丸山直起『太平洋戦争と上海のユダヤ難民』、関根真保『日本占領下の〈上海ユダヤ人ゲットー〉──「避難」と「監視」の狭間で』、ウルスラ・ベーコン『ナチスから逃れたユダヤ人少女の上海日記』 かつて上海にいたユダヤ人はおおまかに言って3つのグループに分けられる。第一に中東から来たセファルディ系ユダヤ人。上海に租界が設定されたのとほぼ同時期で、バグダード出身のサッスーン家など商人として活躍、上海の経済界で大きな勢力を築いた。第二に、ロシア革命がおこるとロシア系ユダヤ人が流入。第三に、ドイツでナチス政権が成立すると、中央ヨーロッパ系ユダヤ人難民が迫害を逃れて査証なしで上陸できる上海へとたどり着いた。太平洋戦争が勃発すると、第一のセファルディ系はイギリスとつながりがあったため上海から事実上追い出され、第三の中央ヨーロッパ系は1943年に設定された楊樹浦の指定区域、いわゆる「上海ゲットー」に集められた。
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