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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (8)

  • なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか?

    「謝ったら死ぬ病」をご存知だろうか? どんなに証拠を突き付けても、絶対に非を認めない人だ。 プライドの高さや負けず嫌いといった性格的なものよりもむしろ、過ちを認めることが、自分の命にかかわるものだと頑なに信じている。すなわち、「謝ったら死ぬ」という病(やまい)に取り憑かれている―――そんな人がいる。 もちろん、想像力が衰えて視野が狭く、無知な自分を認めたがらないような頑固者なら、可哀そうに思えども理解はできる。 だが、第一線で活躍する知識人や学者で、ものごとを客観視できるはずなのに、この病気に罹っている人がいる。それどころか、その優れた知性を用いてコジツケを考えだし、論理を捻じ曲げ、のらりくらりと言い逃れる。 なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか? ずばりこのタイトルの書を読んだら、疑問が氷解した。 それと同時に、「謝ったら死ぬ病」は私も罹患していることが分かった。「あの人」ほどは酷く

    なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか?
  • きれいは汚い、汚いはきれい『不潔の歴史』

    歴史上、いちばん不潔な信徒は、次のうちのどれか。 キリスト教徒 イスラム教徒 ユダヤ教徒 『不潔の歴史』によると、史上最も不潔なのは、キリスト教徒だという。ホント!? 入信の際の洗礼のイメージから、きれい好きと思っていたが、違うらしい。 たとえば、イエスを事に招いたファリサイ派の人は、イエスが前に身体を清めなかったことに慄いたとある(ルカ11:37-54)。さらに、「あなたたち(ファリサイ派)は、杯や皿の外側はきれいにするが、その内側は強欲と悪意に満ちている(ルカ11:39)」と非難されている。 外見よりも内面を重視するエピソードだろうと思っていたが、これを真に受けて、わざと汚れたままでいることが、4~5世紀のキリスト教徒に流行したとある。手記や小説などで、キリスト教徒の汚さは相当なものだと紹介されている。 一方、ユダヤ教徒やイスラム教徒は、清潔でいることが宗教上の要求としてルール化さ

    きれいは汚い、汚いはきれい『不潔の歴史』
    frothmouth
    frothmouth 2020/08/18
    The Dirt on Clean
  • 萱野稔人・御田寺圭『リベラリズムの終わり』トークイベントまとめ

    世界中で嫌われている(らしい)リベラリズムの限界と未来について、萱野稔人さんと御田寺圭さんが考察するというトークイベントがあったので聴いてきた。 トピックハイライト 顔で選ぶと差別だが、頭で選ぶのは差別ではない 男女平等が大事なら、激務で過労死寸前の職場に女性を送り込むの? と聞くと、「そんなことは議論していない」 SNSで偉そうな教授はCiNiiで検索される リベラリズムでは財の再配分ができない理由 ≒ 仲間意識の限界 ←ここがリベラリズムの限界 多様性を重視するなら「リベラルを拒絶する人」をリベラルは受け入れるべきだが、リベラルを拒絶する人が子どもをたくさん産んでいる(ex.フランスのイスラム教徒) 日は一夫一婦制ではなく、非同期型一夫多制 リベラリストとは「リベラルを共有できる社会を守りたいだけの集団」になってしまう リベラリストへの信頼が失墜しても、リベラルを捨てないために今で

    萱野稔人・御田寺圭『リベラリズムの終わり』トークイベントまとめ
    frothmouth
    frothmouth 2019/12/30
    “『暴力と不平等の人類史』は今年読んだスゴ本だったけれど、これ、一言でいうならば、人類を平等にする最たるものは戦争だということを、徹底的なエビデンスで殴ってくるやつだった。”
  • リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた

    「女の子の匂い」をご存じだろうか? 「臭い」ではなく「匂い」である。 よく言われる、せっけんの香りではない。デオドラントや柔軟剤、コンディショナー、乳液、ハンドクリーム、化粧水、オーラルケア、ファンデなどの香料、フレグランスでもない。それらは、女の子から漂ってくる様々な匂いを構成する要素にすぎない。 そうした、外づけの化合物ではなく、女の子自身から発する匂いだ。ココナッツミルクや白桃を想起させる、何とも言えない、「匂い」というより、「あの感じ」といえば分かるだろうか。心地よく、はっとする感じ、あるいは身体的にオンになる感覚である。 これは、わたしの変態性が生み出した妄想にすぎぬ、と考えていた。しかし、優れた先人たちの研鑽と研究の末、「女の子のいい匂い」とは、以下の物質であることが判明している。 ・高級脂肪酸と安息香酸エストラジオール ・ラクトンC10、C11 では、女の子の匂いを再現するこ

    リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた
    frothmouth
    frothmouth 2019/07/09
    🤔
  • 人の命は金になる『凶悪 ある死刑囚の告発』

    人を殺し、その命を金に換えるビジネスモデルが詰まっている。 借金にまみれた人生の破綻者、家族からも見放されたリストラ対象者、土地つきボケ老人、生命保険に入っている死にぞこないを見つけてきては酒に溺れさせ、面倒をみてやり、小金を貸してやる。最終的には、土地や預金通帳などを手にいれ、土地は転売してサヤをとる。不動産がなければ保険金だ―――良心ないし魂を売り渡せば、数百万が億になる老人ビジネス。 死刑囚が、獄中から、告発する。被害者は複数で、首謀者は娑婆にいる―――という話なのだが、設定だけ聞くと、よくできたフィクションだ。絞殺死体を焼却炉で燃やす件や、純度の高いウォッカを無理やり飲ませて殺す場面など、非常にフィクションであって欲しいのだが、恐ろしいことに、[上申書殺人事件]のルポルタージュだ。 告発者は元ヤクザで殺人犯の後藤。裏切りか報復か、抑えた筆致でも骨髄まで染みる恨み言に、読んでるこっち

    人の命は金になる『凶悪 ある死刑囚の告発』
  • 都市から見た人類『都市の誕生』

    人類は、都市から見ると面白い。 都市は単なるインフラや建造物の集積ではなく、人間のもっとも偉大な創造物である。人類の営みを、都市という面から捉えると、多様でありながら普遍的で、変化しながら不変的な要素をもつことが分かる。あらゆる時代、あらゆる文化の都市のあいだに、類似したところを串刺しにする───これが書の主旨。 歴史や習慣、マネーや余暇、未来都市といったテーマに分かれ、文学や映画、美術などの多彩なジャンルを横断しながら、どこかの都市のガイドブックのように紹介している。都市のコアな部分を見せようとしつつ、文化による差異が顕われてしまうのが面白い。 例えば、都市の「形」。生物のコロニーのような形状になると思いきや、根底の思想がヨーロッパと中国(と日)で異なっていることに気づかされる。古来の世界観に基づき、宇宙を模した方形となっている中国の王城とは対照的に、限られた石材と煉瓦で内側の面積を

    都市から見た人類『都市の誕生』
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    frothmouth 2013/10/14
    どしどし読もう!
  • 古典は武器である『強く生きるために読む古典』

    負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じ抜くこと、になりそうなとき、それが一番マズい。では、どうするか。 ダメになりそうなとき、古典は武器になる。できそこないだという自覚、場違いでいたたまれない感覚、自殺した文豪の「生まれてきてすいません」を夜の底で反芻するとき、生き延びる助けとなるのは古典である……これが著者の主張。ヘーゲル、法然、カミュ、ドスト、ときに過剰に、ときに強引に自分に引きつけて読む。 自ら述べる通り、著者の「読み」はバイアスがかかっている。「正しい」「間違っている」を断定しがちだ。既読については、わたしの「読み」とずいぶん違うのが面白い。マルクス・アウレリウス『自省録』を、「劣等生の嗚咽と罵声、悔恨と自戒の独白」と読むのは斬新すぎる。閉塞感と絶望に塗りつぶされた『悪霊』からドストの楽観論を汲み取ろうとしたり、『異邦人』のムルソーの転回を自分の体験に照らして理解

    古典は武器である『強く生きるために読む古典』
    frothmouth
    frothmouth 2013/09/02
    『古典は武器である』こてんパンにされてしまうっ!
  • トヨタ・バッシングの正体『アメリカ型ポピュリズムの恐怖』

    アメリカトヨタ叩きについての「もやもや」が晴れた。これは、アメリカンリスクの教科書として読まれるべきスゴ。 そのジャイアニズムやダブスタにはちゃんと(構造的な)理由があることが分かる。なぜヒステリックな反応をしたのか、原因判明にもかかわらず、どうしてケジメをつけられないか理解できる。同時に、トヨタの大人の対応と、是々非々バランス感覚の絶妙さに唸らされる。さらに、アウディ、トヨタの次がどこであれ、どんな対応を取ればよいか教訓が得られる。 2009~2010年の「トヨタ急加速疑惑」によるトヨタバッシングは異様だった。メディアの扇情報道がオレモオレモ苦情のループを呼んでヒートアップする一方、トヨタを蹴落とす陰謀論がまことしやかに語られていた。どこまでが「事実」で、どこからが「意見」なのか日のメディアを探しても、「グローバル経営感覚の欠如」や「トヨタの油断や驕り」など、自虐的な報道ばかり。後

    トヨタ・バッシングの正体『アメリカ型ポピュリズムの恐怖』
    frothmouth
    frothmouth 2013/01/25
    アメリカは車に関してジャイアニズムというよりセンチメンタリズム。『the good old days』の象徴だから、迂闊に触れてはいけない。
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