どうやら世間ではビデオを流出させた(と自白した)海上保安官を擁護する声が高いようだが、血の気の薄い私には理解しがたい。 私にとって今回の「流出」事件がよろしくないのは明白だ。治安を預かり、機密情報を扱う公務員としての基本的な倫理をないがしろにしている。たとえるなら、銀行員が客の金を勝手に流用するのと同じくらいダメだ。どんなに気に入らない客だろうと、流用を正義だと信じたとしても、そんなことを正当化したら業界全体の信用に関わる。「流出」海上保安官を擁護する人は、彼以外の真面目な海上保安庁官の顔に泥を塗っているようなものだ。 「流出」を擁護する論理には二種類あるはずだが、どうもごちゃ混ぜにされている。 まず一つ目は、「流出ビデオは特に秘密にする価値がないものだ」「公開は当然だ」とするもの。私が擁護するとしたら(実際は擁護しないけれど)こちらの論法を使うだろう。専門家の中にもこの点から「流出」海上