【釜山・竹次稔】韓国・釜山市で、従軍慰安婦問題を象徴する少女像の設置に反対し続ける男性がいる。市民団体「真実国民」代表の崔(チェ)さん(36)。同市の日本総領事館前にある少女像の近くにごみを並べ「撤去するなら許可なく置かれた像も動かすべきだ」と訴えるなど、一連の行動は少女像容認派が多い韓国内では異色だ。個人攻撃を恐れて下の名前は非公表という崔さんの活動からは、慰安婦問題で異論を唱えづらい社会情勢もうかがえる。 「日本はなぜ元慰安婦のおばあさんに謝らないのか、以前はそう考えていた」。崔さんは釜山市の喫茶店で打ち明けた。市内の大学で社会福祉政策を学び、今は会社員という。 転機は昨年。所属するキリスト教会のメンバーと長崎、大分両県の殉教地を訪れ、初めて日本人と言葉を交わした。「みんな親切。子どもは純粋で礼儀正しい」。隠れキリシタンが弾圧に耐えて信仰を守ったことも知った。「韓国人と同じように苦