2015年に機能性表示食品制度がスタートしたとき、「経済成長優先で消費者が守られないのでは」という懸念の声が上がりました。しかし国は、この制度とセットで健康食品の表示や広告に関する取り締まりのルールを変更しています。機能性表示食品制度には、単なる規制緩和とは違った側面も見えてきます。 まずは、機能性表示食品制度誕生の経緯について振り返ります。 制度が始まる2015年以前は、食品の機能性(効き目)を表示できるのは「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」のみでした。 ただ、トクホは許可を得るための費用が莫大(ばくだい)にかかること、栄養機能食品は表示に制限があることなどから、新たな表示制度を求める声が業界団体からあがっていました。そして、内閣府の規制改革会議で「新たに機能性表示を可能とする仕組みの整備」というテーマが議題に上がるようになってきました。 機能性表示食品制度の目的は経済成長優