AIが人間の思想を左右している、というとSF作品の中のできごとか、何か陰謀論めいたものに聞こえてきますが、アメリカのテクノロジー業界では現実にこのようなことが問題視されているようです。 Netflixのドキュメンタリー「監視資本主義:デジタル社会がもたらす光と陰」ではGoogle、YouTube、SNSの元開発者たちが自分たちのアルゴリズムが「予想しなかった結果」をもたらしたと告白します。Googleの検索結果画面ひとつとっても、ネット上の光景は見ている人の地域、所属や属性、趣味嗜好によって「好みの傾向に」最適化され、それぞればらばらのものになります。この「ユーザー好みの情報をサジェストする」という機能は、結果から言えば個々のユーザーがイデオロギーに基づいて好むであろう情報を優先的に提供し、無自覚のうちにイデオロギーの傾きを加速するという形で一種の情報的分断を深めたと考えられています。 し