【ソウル=中川孝之】韓国・珍島(チンド)沖の「セウォル号」沈没事故への対応を巡り、朴槿恵(パククネ)政権への批判がエスカレートしている。 救助者数などを何度も間違う不手際があった上、行方不明者家族らの神経を逆なでする政府高官らの言動が相次いでいるためだ。朴大統領の危機管理能力を問う声もあり、政権運営は試練を迎えている。 ◆記念撮影 船内で見つかった遺体が安置された珍島・彭木(ペンモク)港を20日夕、李柱栄(イジュヨン)海洋水産相らが訪れた際、騒ぎが起きた。 韓国各紙によると、居合わせた安全行政省の局長が、貼り出された死亡者名簿の前で「記念写真を撮ろう」と発言。聞きつけた遺族らに取り囲まれ、「それでも人間か」「遺体と記念撮影するか」と詰め寄られた。李氏は遺族らにその場で謝り、この局長は、21日に解任された。 事故発生当日の16日には珍島の体育館で、徐南洙(ソナムス)教育相が集まった不明者家族