CINRAメディア編集長が、月に一度くらいのペースで更新するコラム連載。今月はSNSなどで反響を集めるNHKの朝ドラ『虎に翼』について綴りました。 俳優の伊藤沙莉さんが主演を務めるNHK連続テレビ小説『虎に翼』が話題だ。日本初の女性弁護士・三淵嘉子さんの実話をもとに、主人公である寅子が、男性主体の法曹界で道なき道を切り開いていく姿を描く。 5月31日まで放送された第9週で物語は一つのターニングポイントを迎え、第10週から新たに「裁判官編」がスタートした。終戦を迎え、夫や兄、父を失った寅子だったが、日本国憲法を読んだことで一度挫折した仕事に再度挑戦することを選択する。 SNSでは毎朝放送されるたび感想合戦が繰り広げられているが、そのなかにはやはり、寅子ら女性たちが置かれたあまりにも過酷な状況に思いを馳せるものが少なくない。戦前の明治民法では、妻は法律上「無能力者」とされてしまい、財産は夫に管