【神沢和敬】新しく公認会計士になる人の就職戦線が「売り手市場」に一転している。新規上場数の減少などでここ数年は狭き門が続いていたが、景気の回復傾向を受け、大手監査法人の会計士採用の動きが活発化。志願者数の減少につられて合格者も減ってきた傾向も拍車をかける。今年の合格者が発表された15日を待たずに、採用活動が始まる騒ぎが起きている。 午前9時、大阪市の大阪合同庁舎内で合格者名が掲示された。名前を見つけた受験者が歓声を上げる風景の横で、ほっとした表情をみせる男性(24)がいた。 「受かったらうちに」。先週、大手監査法人で働く大学の先輩から連絡をもらっていたので、心の中で安心が喜びを上回ったのだ。 東京都の男性(24)には、発表直後から「合格おめでとう」と書かれた採用の案内メールが次々と届いた。「説明会に参加したときに受験番号を伝えてあった。大手の4法人からメールがきた」 監査法人の幹部に先週会