Haskellを学んでいると,Maybeという型に遭遇します。 Maybeとは一体何でしょうか? なぜほかの型ではなくMaybeを使用するのでしょうか? 読者のなかにはこのような疑問を持った方もいれば,持たなかった方もいるでしょう。あるいは部分的な答えに「Haskellではこうするのだ」と納得して,そこで問いをやめてしまったかもしれません。いずれにせよ,何かを得ることを目的にHaskellを学んでいるのなら,今一度,何を知らないかを自覚し,疑問を思い起こすべきです。 与えられた情報をただ漫然と常識として受け止めてしまうと,答えとなるような知識を得ることはできません。答えを得るためには,問いが必要なのです。 今回はMaybe型の説明を通じて,そうした問いへの入り口を示したいと思います。 前回の補足 前回GHC6.6で使用する文字コードとして紹介したUTF-8Nは,標準化の議論が一時期されてい
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