集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定は憲法違反だとして、元三重県職員の珍道世直(ちんどうときなお)さん(75)=津市=が十一日、閣議決定の無効確認などを求める訴訟を東京地裁に起こした。今回の閣議決定をめぐる提訴は初めてとみられる。 提訴後、珍道さんは「閣議決定は憲法九条と明らかに矛盾する。戦争放棄は日本の国是だ」と語った。幼少時に空襲に遭った体験から「戦争は絶対にしてはいけない」という思いが強く、閣議決定後の安倍晋三首相の記者会見を見て「戦争に進むか、平和を守るかの岐路に立たされる」と感じたという。当面は弁護士を立てず、本人訴訟で争う。