人材不足を始めとする課題が指摘されて長い日本の農業業界。アグリテックという産業が確立されるほど、多くの企業がテクノロジーを用いて解決策を提示してきたが、根本的な解決の目処はまだ立っていない。 そんな中、AI技術を用いた自動収野菜穫ロボットを開発し、数々のピッチコンテストやカンファレンスで優勝をするスタートアップが現れた。鎌倉の古民家をオフィスとするinaho株式会社(以下、inaho)だ。最先端のロボットを開発しているとは想像もできないのどかな住宅地の中で、日本の農業の未来を左右するイノベーションが起ころうとしている。 今回はinaho共同代表の1人である菱木豊氏にいかにして自動野菜収穫ロボットを開発したのか、その苦労と試行錯誤のプロセスについて話してもらった。 農家の9割が欲しいという自動収穫ロボット ■菱木豊(ひしき・ゆたか) 1983年神奈川県生まれ。鎌倉育ちの鎌倉っ子。不動産コンサ