鉄鋼世界最大手アルセロール・ミタルCEOは、来年の市況予想に慎重姿勢を崩さない。今年大幅に市場が縮小する先進国では、回復は限定的と見る。中国、ブラジルなどの需要は旺盛で、世界全体では来年10%成長を見込む。 来年の鉄鋼業界について楽観的か、悲観的か尋ねると、鉄鋼世界最大手アルセロール・ミタルのラクシュミ・ミタルCEO(最高経営責任者)は明言を避けた。そして代わりに、世界有数の実業家である同氏はより微妙な言い回しで答えた。「(需要に関して)新興国については楽観している。だが先進国には慎重だ」。 全体としては、同氏によれば今年10%減少する見込みの世界の鉄鋼需要が、来年には10%増加するという従来の予測を変えなかった。 これは業界関係者の多くが描くシナリオほど悲観的ではない。同業他社の幹部の多くは、今年の世界の鉄鋼生産は15%落ち込む可能性が高く、来年の回復幅については5〜8%と見る。 とはい