「これはいかんだろう」。デトロイトモーターショーの展示、米Tesla Motor社の電気自動車「Roadster」の後ろに回り込んで考え込んでしまった。これではモーターを置く場所が高すぎる。 同社はIT界の大物が出資したこともあって、企業としては話題の中心だ。純電気自動車を、それも価格が高めのスポーツカーを、富裕層に売る。それもパソコンのように市販の部品をかき集めてきて組み立てる。自動車の今後を占ううえで気になるメーカーである。よくできていながら量の出ていない英Lotus社のシャシーを買ってくるなど、投資を抑えるやり方もうまい。 ただし、展示したシャシーを見る限り、ハードウエアとしての完成度は低い。「ビジネスマンとしては優秀だけど、手を汚してクルマをいじってはいない」人が作った匂いがする。 モーターはデフのほぼ真上か、わずかにオーバーハング気味に載っており、後車軸より実測で200mm余り上