タグ

ブックマーク / hongokucho.exblog.jp (57)

  • BIS自己資本規制強化の考察=取りあえずは景気に配慮 | 本石町日記

    BISのバーゼル銀行監督委員会が自己資規制の強化で合意した。夕刊では各社報じているが、日銀仮訳のプレスリリースはこちら。予想された通りに優先株が多い邦銀には厳しい内容となったが、取りあえずは景気への配慮がなされたのは一安心であろう。具体的には以下のところ。 「実体経済の回復を阻害しないよう、これらの新たな措置を段階的に導入するための適切な実施基準が策定される」 これが景気が十分に回復して段階的に実施する、という意味であるならば邦銀への影響は大したことはないのではないか、と考えられる。景気が回復していれば株価も安定or上昇基調となっており、ブルマーケットであるならば邦銀の自己資強化に伴う株式の発行も容易に消化される、と考えられるためだ。 ただ、個人的には今回の資強化は、欧米監督当局のある種のポピュリズム的な対応ではないか、と思っている。各国とも金融機関に対する公的資金注入は国民から非難

    fujikumo
    fujikumo 2009/09/08
    <「実体経済の回復を阻害しないよう、これらの新たな措置を段階的に導入するための適切な実施基準が策定される」>優先株の多い邦銀には厳しい内容となった、景気への配慮もあり。
  • 本日の大機小機は同感=祝・FRB議長再任 | 本石町日記

    まずはバーナンキFRB議長の再任。マーケット的には議長再任をめぐる不透明感が払しょくされてめでたし、という結果となった。サマーズ議長はちょっとね、という感じもありましたしね。まあ、危機対応の過程をよく知る議長がこのまま難航するであろう出口政策も手がけるのが一番良いと思う。 で、題の大機小機。下のとは打って変わって日の内容はうなずくところが多く、自己資規制の在り方としてはまあ正論ではないかと受け止めた。筆者は、無垢氏。実態を良く知る当局者(or金融実務家)という印象を受けたのだが、どうなんでしょう。取り合えず内容をつまみながら簡単に感想・解説など・ ・金融危機はまだ収束していない。自己資規制を強化して信用収縮に拍車をかけては元も子もない。 →その通り。危機直後はバブル(=金融)憎しの大衆的感情の高ぶりから規制強化となりがちだが、得てして羹に懲りて膾をふくことになる。 ・BIS規制はも

    fujikumo
    fujikumo 2009/08/27
    <金融有事ではむしろ自己資本規制を緩めて信用収縮を防ぎ、平時に戻ってから資本強化すればよい。可変的な自己資本規制が必要>
  • 民主党政権が外貨準備を振り回すと世界経済の超巨大黒鳥になるのではないか、と思った件 | 本石町日記

    恐らく民主党政権になるのだろう。で、新政権になって多少政策運営で混乱しようが、日人が自分で選んだ政権なのだから、自己責任原則である。これは仕方がない。去年は日銀総裁人事が野党の突発性何でも反対症候群に見舞われ、たまげた結果になってしまったが、これもまあドメスティックな問題であって、外界から見ればなんだかよく分からんことやっているね、という見せ物を提供したようなもの。だが、世界が笑っては見ておられないことが一つだけある。我が国の「外貨準備」である。 政権がどうあれ、この扱いは要注意である。介入のやり方にはいろいろ異論はあるかもしれないが、基は通貨安定の結果として積み上がったシロモノであり、決して運用の発想を持ち込むものではない。いくら外貨準備の規模が膨大であろうが、運用資産ではないので「リスク」というものはない。強いて言えば、将来のもしかしたら起こり得るかもしれない通貨防衛に際し、戦略備

  • 短観でした=中小・自動車の先行き▲84!&風景の話 | 本石町日記

    短観が出ました。マーケットは超悪化は織り込み済みで、むしろ株は買い戻しとなったようです。米株が上がったのも大きいでしょうか。短観は劇悪化でしたね。DIは理論上は最悪で「▲100」もあるのだが、業種別で表題のように中小企業の自動車部門で最悪に近いのが出たのは驚き。先行きの数字だが、恐らくは実現しそうな雲行きである。全体としても、電力など一部を除いてほぼ全滅。需給ギャップも拡大、言葉で表現すれば「急激な悪化」といったとこでありましょう。 既に株が何千円も落っこちた衝撃を受けたあとなので、マクロ統計や短観の劇悪化というのはマーケット的には「そんなもんだろう」という感じであるが、経済分析を生業にしている方々は「職業人生においてこんな数字を見ることになろうとは…」という感想を抱くのではないかと思う。マクロ統計は遅行的に出てくるので、これからも「こんな数字が出るとは…」ということが続くのではなかろうか

    fujikumo
    fujikumo 2008/12/16
    <。短観は劇悪化でしたね。DIは理論上は最悪で「▲100」もあるのだが、業種別で表題のように中小企業の自動車部門で最悪に近いのが出たのは驚き>
  • 支店長会議の雑感=地方は既に景気後退入り | 本石町日記

    というか、地方はもともと景気は回復しておらず、昨年のサブプライムショック、建築基準法改正による住宅投資の激減によって経済の悪化が鮮明になった、という感じでしょうか。日銀各支店の経済分析をまとめた「さくらリポート」の総括判断は「減速が続く」であったが、各地域の景気動向の→はほとんど下向きだったので、これは景気後退でありましょう(もともと後退していた、という印象を持つ人が多いかもしれないが)。 特に燃料費の高騰は、車が日常の足となっている地方経済を直撃する。ガソリン代が高いから電車で通勤というわけにはいかないですから。バスも(少なくとも私の田舎は)ろくに走っていない。一般的に一家には大人の数だけ車がある(でないと生活ができない)ところが多く、ガソリンの高騰はかなり痛い出費(私の田舎の親戚も悲鳴を挙げていた)はず。ガソリンにわれた分は別な消費が減るだけ。 支店長会見も全般に暗かったです。まあ、

  • 「コモフレーション」下の長期金利は… | 本石町日記

    日経新聞(27日付)に景気討論会の模様が出ており、その中で門間日銀調査統計局長の物価動向に関する発言が印象に残った。具体的には「『アグフレーション』、『コモフレーション』と表現されるように値上がりが目立つのは第一次産品。その中に当のインフレが紛れ込まないか注視する必要がある」というところ。『アグフレーション』、『コモフレーション』と言われているのですね、初めて知りました。 このところ長期金利が上がっており(今日はちょっと低下)、ヘッドライン的には「インフレ」がテーマになっているようだ。もちろん、「インフレ」とは言っても景気過熱を伴った「当のインフレ」ではなく、国内経済的には典型的な供給ショックで交易条件は悪化しつつある。で、長期金利が「インフレ」をテーマに上昇する、というのはどうもしっくりこない感じで、改めて「コモフレーション」下の長期金利の動向を考えてみた。 まず資金需給の観点では、

    fujikumo
    fujikumo 2008/05/29
    <「『アグフレーション』、『コモフレーション』と表現されるように値上がりが目立つのは第一次産品。その中に本当のインフレが紛れ込まないか注視する必要がある」>
  • 「(特定の)利害に配慮した金融政策運営は自殺行為だ」=白川総裁、良くぞ言った | 本石町日記

    日の会見、一つだけ感想を。 ネタなのか、気なのか、それとも(日銀を貶めるための)罠なのか、良くは分からんのだが、「主婦の体感物価は非常に高い、それでいいのか!」、「年金生活者が低利息で厳しい、それでいいのか!」みたいな質問が突然飛び出て、おや、衆愚的金融政策論のお好きな民主党(与党にもいるね)の先生でもいらっしゃるのかと思ったのだが、白川総裁の答弁は良かったです。以下の感じでした。 ・世の中の人々、苦しい人々の状況を理解するのは大事である ・年金生活者の苦しみは分るが、一方で景気が悪くなれば職を失う人の苦しみもある ・世の中には(金利面では)利害関係でいろいろなグループがある ・しかし、金融政策を狭い意味での(特定の)利害に配慮して運営するのは自殺行為だ ・(それゆえに)金融政策は独立性を持って(物価安定下の)持続的な成長を目指すしかない パチパチ…。 この発言は、報道する側としては、

    fujikumo
    fujikumo 2008/05/21
    白川総裁。
  • 白川体制で初の「展望リポート」は…=願望抜け出し現実へ | 本石町日記

    まあ予想通りで、景気判断の下方修正、利上げ路線の修正が行われた。この結果、金融政策運営は「経済・物価の見通しとその蓋然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、それらに応じて機動的に金融政策運営を行っていく方針である」と改められた(すでに数ヶ月前からこういう言い方になっており、展望リポートできちんと明記された)。 「上下両方向のリスク」、これは「第二の柱」では「海外経済や国際金融資市場を巡る不確実性、エネルギー・原材料価格高の影響など景気の下振れリスクに最も注意する必要がある」と強調されており、つまり「機動的な政策運営」は利下げの可能性も視野に入っているのだろうと思われる。 展望リポートは「願望」から脱却し、やっと現実的になった。このほか、気がついたところなどは以下の通り。 ・「第一の柱」は、「政策金利に関しては市場金利に織り込まれている金利観を参考にしつつ点検する」もので、最近の

  • 下のエントリーの解説=イールドカーブ比較の基本 | 本石町日記

    当ブログの読者は金利関係の方々が多いとは思うが、中にはFX系、株系など金利から遠い方々もいらっしゃるかもしれないので、下のエントリーの解説、すなわちイールドカーブを比較する際の基的なことを念の為に述べてみたい。ドラめもんさん、システム5.1さん、パットメセニーさん、すみませんが、私もマーケット最前線で債券やスワップを手がけているほどのプロではないので、おかしな点や捕捉すべきところがあればご指摘ください。なお、長短金利逆転については、ドラめもんさんの27日&28日の分をご参照ください。 まず、長短金利を比較する際、重要なことは同じ金融商品の金利を比較しないといけない。一般的に「長期金利」と言えば「10年物国債の利回り」を指す。従って、国債の短い物の利回りが「短期金利」となる。具体的にはTBやFBなどの金利ですね。もっとも、これら国債の期間は数ヶ月-1年で、短期とはいっても幅がある。それにあ

  • 民主党、伊藤氏も拒否なの!!=福田首相じゃないが「理由が分からない」よ-追記・欧米中銀再び協調 | 本石町日記

    日、国会で武藤副総裁、白川元理事、伊藤東大教授ら日銀正副総裁の所信表明&与野党からの質疑応答があった。そして結果は。人事の鍵を握る民主党は武藤氏に加えて伊藤教授までもが拒否でありました。福田首相も言っていたが、まさに「理由が分からない」。 まあ、総裁空席でも事務方優秀なので、インタバンクの混乱ぐらいは難なくさばけるし、現実問題としては金融政策は当面は現状維持でいくしかないだろう。でも、国際金融資市場はやばい。今日は小康状態だったが、「FRBはエージェンシー債の買い切りやるんじゃないのか」とのうわさが出ており、それだけ米クレジットマーケットは壊れていることを示唆する。と思ったら、案の定、ECBはまた緊急オペ打っているし。ちなみに、先週末のマーケットのぶっ壊れた状態はこちらの方のエントリー「終わりの始まり」が詳しいので、ご参照ください。各種クレジット物が相互にメルトダウンに陥る臨界ゾーンに

  • みなさんもそう思うのですね=ソシエテの巨額損失&FRB | 本石町日記

    仏大手銀行ソシエテ・ゼネラルの巨額損失のニュースが出たのは、昨日午後の遅い時間であった。このニュースに接したときの最初の印象は「たった一人のトレーダーでこんだけのロスが出せるのか?」であった。当に一人でロスが出せたのなら「リスク管理は一体どうなっていたのか?」という疑問も湧いた。マーケット関係者の第一印象も似たものではなかったと思う。 一般的に巨大なポジションを張って、どでかいロスが生じていると、その取引のカウンターパーティは何らかの異変を感じ取るものであろうと思う。これは関係市場にはある程度伝わるもので、当該商品が上場物だったりすれば、建て玉などから異常なポジションの存在がにじむようことがある。住友商事やベアリングズ、大和銀行などの損失事件でも異変は指摘されていたと記憶する。 今日、あるディーラーと話していたら、「ソシエテは公表前にポジションをクローズしており、それが最近の株価急落の一

    fujikumo
    fujikumo 2008/01/26
    <FTによれば「“It is now clear that the Fed was panicked into a 75 basis point rate cut by the actions of a rogue trader and the bank’s unwinding of his positions,” said one London-based hedge fund manager」との指摘もある>
  • 吸収オペ連発っすね=年末出し過ぎでしょ&日銀マンのジョーク | 本石町日記

    新年になってからの日銀金融調節は吸収続きである。日は即日吸収の連発(二回)となり、オイオイでありました。つまるところ、年末超えの資金供給がやや過剰であったのであろう。欧米の協調供給にお付き合いしたはいいが、その事後処理に追われる、という構図である。 余計なことをすると、得てして意味のない忙しさに見舞われやすいが、オペも同様であって、金繰りがひっ迫していないのに金を出し過ぎると回収に追われる。適当に手を抜けばいいじゃないか、と思うかもしれないが、手を抜けない事情がある。なぜなら金利水準は誘導目標(無担保コール翌日物=0.5%)を維持しないといけないからだ。 例えば、日の吸収を見送れば、金融市場局や業務局のオペレーションの負担は軽くなる。しかし、サボった代償として金利がベタッと下がってしまう。一時的な現象ながらも現場が勝手に利下げした格好となって、政策委員会から怒られるのである。サボった結

  • 景気ウォッチャー、急降下態勢に入りましたな | 本石町日記

    11月の景気ウォッチャー調査、悪化するとは思っていたが、こんなに鮮やかに落ちるとは…。DIが描くチャートは右肩下がり&急降下の態勢に入った感じである。原油高、サブプライム、自業自得の住宅失速、上限金利下げによるノンバンクの叩き潰しetc。悪材料には事欠かないので、それらが景況感に確実に効いてきたということであろう。 景気の現状判断DI(合計)は、38.8で前月比2.7ポイント悪化。個別にみると、飲がわずかに良いが、これは振れの範囲内でしょう。製造業も横ばいにとどまり、全体としてはやっぱり軒並み悪化でありましょう。特に住宅関係は壊滅的な下げで、前月比8.7ポイントの悪化ですね。 地域的には景気が良い関東地区でも「・特に建築、不動産業に関しては建築確認の認定が遅くなっており、受注や工事が止まる影響による売上減が出てきてかなり厳しい状況である。ガソリン高騰による各業種の経費圧迫の影響もあり、総

  • 「私の履歴書」の続き=海の色は変わるのか? | 本石町日記

    気を取り直して書きます。文章は当初予定よりも短めですが、冗長な部分(かつての金位制からの離脱や管理通貨制度の説明など)がなくなり、論点が絞ることができた、と思うことにします(笑)。それと、励ましのコメントも頂き、ありがとうございました。気力が出ました。 さて、田淵氏の指摘したドルが原油や金、穀物など実物資産を裏づけとした通貨体制に移行する可能性についてである。可能性の高さ・低さ、またドルの信認が崩壊する要因・ルートなどの分析は別にして、ここでは田淵氏の指摘に沿って、軍事力の衰退、そしてこれに伴うペーパーマネーのドルが価値を失うことについて考えてみたい。もとより、私は国際通貨制度ないし軍事の専門家ではなく、以下は私見であります。 今たまたま「戦争請負会社」(P・W・シンカー)を読んでいる。途中であるが、戦争請負業の拡大・法人化の動きと、ドルの信認問題はつながりがあるんじゃないか、と思った。

    fujikumo
    fujikumo 2007/12/06
    ドルが基軸通貨となっている現在の体制から、原油や金、穀物などの実物資産を裏づけとした通貨が軸となる通貨体制への変化、その可能性について。希少性のある財を通貨の裏付けとすれば、デフレ恐慌をよぶ危険性も
  • とりあえずバブル崩壊のパターンですね…=お知らせあり | 本石町日記

    まずはお知らせ。…みたいな。さんの替え歌が500曲を達成しました。おめでとうございます。最初、私のブログに投稿して頂き、そして御自身でブログを開設。ここまで発展されたのは、うれしい限り。500曲の各種分析も面白いです。みなさんご覧ください。しかし、500曲とは…。凄いなあ。次は1000曲? で、マーケットです。昨日も冒頭で少し触れたが、とりあえずバブル崩壊の典型的なパターンをたどっておりますね。まずはバーナンキFRB議長が損失見込み額を大幅に上方修正したこと。最初は1000億ドル、そして1500億ドルとなった。日人なら誰しもバブル崩壊中はうかつに数字など口にするものではないことを経験的に知っている。だって、どんどん損は膨らみ、安心させようと思って出した数字は次々に覆され、不信(or不安)感を招く悪循環にはまり込むからだ。かつての大蔵省銀行局になるわけですね。 それと、害債さんも指摘されて

    fujikumo
    fujikumo 2007/11/10
    <レベル3 資産は透明性の高い市場価格がなく、自社の推定による評価額となるので、今後、金融市場がさらに悪化した場合には、大きく影響を受けやすい資産が含まれている可能性も否定できない>
  • 1円玉は増産されていたのですね | 本石町日記

    しばらく前に1円玉のネタを取り上げたが、足元では増産傾向にあるのですね。気がつかなかったです。まず、平成18年(年度か暦年か不明)までの製造データは造幣局の「貨幣に関するデータ=年銘別貨幣製造枚数(その2)」に掲載されている。それによると、平成17年は3002万9千枚、18年は1億2959万4千枚。一方、財務省の「平成19年度貨幣製造計画」では2億枚となっていた(3月に発表されていた!)。 増産されたのは、もちろん需要があるからだろう。1円玉のコストは2倍以上のはずで、造幣局としては2億円分作ると2億円以上のロスが出るのだが、まあ需要があるのだから作らないとしようがない(ロスはその他貨幣のシニョリッジで十分カバーされるが)。 電子マネーは普及しつつあるが、貨幣を減らすほどの効果はまだ出ていない。理由としては、①小売店などいろいろな決済場面でまだ1円玉が使われている②財布やタンスの中に滞留し

  • 「バブルは防げない」と私も思う | 本石町日記

    日経新聞(29日付)にグリーンスパン前FRB議長のインタビューが掲載されていた。興味深かったのはやはりバブルに関するところであった。印象に残ったのは以下のところ(日経さん、お借りします)。 ・バブルを予想したり、それを正常な状況で取り除くのも不可能 ・(最優秀のセントラルバンカーの一人である)キング総裁(英中銀)ですら(ノーザンロックの件で批判されるなど)問題をうまく乗り切れないなら、誰にもできない ・(金融を強烈に引き締めて)経済を不安定にしない限り、バブルの台頭を止めるのは不可能 ・中銀にできることは皆が思うより限られている もとより、住宅バブルを作ったとの批判もあるだけに、グリーンスパン氏の発言は自己正当化と取られかねない面もあるが、私自身は上記のポイントには賛同するところである。バブルは、それがシャボン玉のような泡であるなら、ポンと弾けてしまうものであり、困ったことに弾けて初めてバ

  • BOEのノーザンロック支援=個人的メモです | 本石町日記

    今回はエントリーというより個人的なメモです(コメントは自由にどうぞ) イングランド銀行(BOE)が14日、中堅銀行ノーザンロック( Northern Rock plc)の資金繰り支援を発表。声明はこちら。 この件の時系列的な印象 ・週末午後、FTの転電などで知る。記事だけでは詳細が分からず。ルール上の対応?、それともルール外の対応を余儀なくされたのか? ロンバート利用が誤解されたのか?、などの疑問。それにしては記事の中ではFSAも登場している。 ・日銀法との対比では何条か。ロンバート対応でなければ38条の公算大。 ・その後、BOEのホームページに声明がアップされる(上記通り)。 声明には対応根拠があった。 「The decision to authorise was made by the Chancellor on the basis of recommendations by the

  • FRB、公定歩合下げ=利下げ局面に入るか否か | 本石町日記

    前日に続いて飲み会(夜の会合ですね。念のため)あり、エントリーの予定なかったのですが、FRBが公定歩合を下げたと聞き、また幾つかコメントも頂いておりますので、簡単ながら感想を。やや朦朧気味ですので、乱文お許しください。 FRBのステートメントを見てみたが、明らかに経済のダウンサイドリスクを警戒する方向にスタンスを変更。従来のインフレを懸念する文言はなかった。既にコメント欄で指摘されているように、経済のダウンサイドを懸念するにしては、公定歩合下げでとどめたのは中途半端な感がある。 FRBの公定歩合は日銀のロンバートと同じであり、その引き下げは「利下げ」ではない。市場金利の上限の引き下げで、まあ市場不安を抑制するスタンスを明確にしたに過ぎない。FRBとしては、足元の混乱が経済に打撃をもたらすリスクを意識しながらも、まずは市場不安の沈静化に努める姿勢を鮮明にし、一方で市場の混乱が沈静化して利下げ

    fujikumo
    fujikumo 2007/08/18
    <FRBの公定歩合は日銀のロンバートと同じであり、その引き下げは「利下げ」ではない。市場金利の上限の引き下げで、まあ市場不安を抑制するスタンスを明確にしたに過ぎない。>
  • ECBが緊急オペ、しかも無制限=ちょっとまずいかも…-NY連銀はシステムレポ | 本石町日記

    先ほど出たニュースを手短に。ECBが緊急オペを打ったようだ。入札にはすべて応じる、とのことで無制限の資金供給である。ECBの金融調節はちょっと変わっており、1週間に1回の定例オペが主体。普段は滅多にオペは打たない。レートの上下動は放置するスタイルである。毎日オペ打ちまくりの日銀を見ていると、何でECBが1週間に1回で済んでいるのか不思議だが、これは準備預金が厚い(流動性が潤沢にある)ため。逆説的には、緊急オペ&無制限のオペを打ったということは、流動性ひっ迫が一時的にせよ起きていることを示唆する。サブプライムローン問題がユーロマネーマーケットの信用不安につながりつつあるのか。一過性で終わるのか。まだ詳細が分からないので、何ともいえないが、ちょっとまずい感じである。 続報です。緊急オペには49の金融機関が応札。総額は950億ユーロ程度。10数兆円である。デカい。国がたくさん集まっているから規模