(英エコノミスト誌 2009年3月7日号) ブラジルでは、経済改革が進まなかった側面のおかげで世界不況による被害の拡大に歯止めがかかっている。だが、近年のブラジルの堅実さも貢献している。 ブラジル経済の発展を阻む要因を挙げると、どんなリストであれ最近まで必ず、金融セクターに対する政府の過剰な介入が含まれていた。ブラジル政府は、巨大なリテール銀行のブラジル銀行、住宅金融最大手のカイシャ・エコノミカ、そして政府が優遇する企業に低利融資を行う開発銀行大手、産業開発銀行(BNDES)を管理下に置いている。 極端に金利の高い銀行融資も足かせになっている。しかし、状況が変わると、非難されるはずの政策が突如、先見の明があるように見えてくる。そうした政策のおかげで、ブラジルは今の世界的な不況に珍しい彩りを添えている。 諸外国は今、今後どのように銀行を運営し、政治家が必要と考える融資先に資金を回した