菅義偉首相(自民党総裁)の退陣意向表明を受け、首相後継の「ポスト菅」を目指す動きが加速している。文芸評論家の小川榮太郎氏が、新総裁・新首相候補らに、国家・国民を率いるリーダーの「必勝の方程式」について、緊急寄稿した。 ◇ 菅首相の政策メニューは、「皇位の男系男子継承」への道筋をつけることを始め、おおむね評価に値するものだっただけに、策を弄しての引退劇で短命に終わったことは残念という他はない。 新総裁・新首相が心せねばならぬこと-。それは、安倍晋三政権がなぜ長期政権たり得、菅政権がなぜ短命に終わったのかの根本に理解を致すことだ。「成功と失敗の端的な損益対照表」が眼の前にあるのに、それを研究しない手はあるまい。 菅首相はどこで道を誤ったのか。 端的に言えば、安倍氏が退陣表明で次期政権の課題とした、新型コロナウイルスの感染症法上の分類「2類相当扱い」を緩和する基準転換に明確に手を付けられなかった