ヤンキースの黒田博樹は、投手としてはメジャーでも実にユニークな存在だ。 ア・リーグでトップクラスの成績を挙げているにもかかわらず、なぜかまったく目立たない。7月半ばに行われたメジャーリーグのオールスターゲームにも、普通なら選ばれて当然の成績だったにもかかわらず、まったく声がかからなかった。日本人選手でオールスターに選ばれたのは結局、レンジャーズのダルビッシュ有とマリナーズの岩隈久志の2人だけ。レッドソックスの守護神として活躍する上原浩治は選ばれなかったものの、最後の出場枠1人を決める「ファイナル・ボウト」の候補には入っていた。 黒田は前半戦最後の登板となる7月12日のツインズ戦を終えた時点でア・リーグ2位の防御率2.65をマークしていた。開幕から一時、防御率が3点台に落ちたこともあったが、シーズンここまでほぼ安定的に2点台を維持し、常にリーグ上位に名を連ねてきた。 オールスターに選ばれた投