ベイズの普及 先回までに、ベイズ統計は得られる情報によって事前確率を事後確率へと更新する実践的な方法であり、それは『事後確率∝尤度(ゆうど)×事前確率』(∝は比例を示す記号)で表現されることを紹介しました。 ここ10年の間にベイズ統計は大きく発展し広く利用されるようになりました。 しかし、「これはベイズで分析した結果だ」と表立って喧伝されることは少なく、どちらかといえばさまざまな問題にアプローチする際の下支え技術として、内部的に使われることが多いようです。 今回はそうした事例のいくつかをあらためて眺めておくことにします。 迷惑メール対策 ベイズ技術が使われている代表的な事例はメールのスパムフィルタでしょう。 スパムメールには特定の単語が含まれている場合が多いので、単純にそうした単語が出てくればNGだと決め付けても良いのですが、それでは正常なメールをはじいてしまう場合も出てきます。 ポール・