当社では競合商品の価格や営業の話を参考にして価格を決定することが多く、あまり戦略的とは思えません。そもそも価格設定の方法にはどのようなものがありますか?(日用品メーカー・商品開発、27歳) メーカーなどの製品サービスの供給者は、「よいものを安く提供する」という価格設定の考えを強く持っています。小売業ならば、いわゆる薄利多売が成功の原則です。これは一種の不文律になっています。たくさんのお客さんに薄利で販売し、喜んで頂くという江戸時代から続く商法です。 メーカーでも松下幸之助氏の「水道哲学」はその典型です。売れれば売れるほど販売コストが低下したり、つくればつくるほど生産コストが低下したりする産業ではこの法則が作用します。 この戦略は、日本経済の創生期や成長期には、多くの消費財を普及させる上で大きな役割を果たし、「豊かな生活」の実現に貢献しました。しかし、市場が成熟し、人口減少社会へと突入して、