本連載の7回目の記事(「知的財産推進計画」のススメ)では、レベルの高いユーザーが大量に存在することが日本の強みではないか、と提起いたしました。層の厚いハイレベルユーザーの存在が日本の強みであるということ自体は、さまざまな文脈で頻繁に言及されているようです。 しかし、実例を挙げて説明しようとすると、動画共有サイトやコミケ、ワンフェスなどが例としてすぐに思い浮かぶものの、それらはかなりニッチな領域のようにも思われますし、どうもそれだけでは説明力(一般性)に乏しいような気がします。 これを説明する良い事例がないかと探しておりましたところ、先日、私が主催する講義「コンテンツ産業論」で講師としてお招きしたアパレルウェブ所属コンサルタントの山中健(やまなか たける)さんの講義の中でファストファッションが日本で受容されつつある理由として、ハイレベルユーザー層の存在が取り上げられ、事例として興味深いと感じ