● 「分解した形」も「合成ずみの形」も「同じ字」 1990年3月、UCSと一本化する1年半前。まだ草案段階だったUnicodeは、自らの生き残りをかけて大きな変更を加える。当初からの合成列用の発音記号(結合文字)に加えて、新たに事前に発音記号を合成した文字を収録することにしたのだ。この結果、まことに面倒なことだが、Unicodeには見た目は「同じ字」なのに符号位置は「違う字」が含まれることになった。前回も述べたが一般に文字コード規格ではこれを「重複符号化」と言って嫌う。文字コード規格の本質は、ある文字の形に固有の符号に対応付けるところにあるからだ。これも互換漢字と同様、後発規格としてのUnicodeの宿命かもしれない。 これを実際の使用状況で考えてみよう。合成列と合成ずみ文字の両者が混在しているファイルがあったとして、これに対して検索をかけた場合、ユーザーが期待するのはどういう結果だろう?
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