5月19日から全国の劇場で公開しているSF映画『メッセージ』。SF作家テッド・チャンの「あなたの人生の物語」を原作としながら、『ブレードランナー』の続編に抜擢されたドゥニ・ヴィルヌーヴを監督にしたSFファンなら必見の映画。その作品の系譜をSF作家の新城カズマが「ファーストコンタクト」を切り口に入れ子状のテキストで読み解いていく。その断片の深層にあるものは何か、実際に読んで確認してほしい。 ※赤いリンクをクリックすることでテキストが展開されていきます。 歴史上、人類以外の知的存在とのファースト・コンタクトはこれまで三度あったし、だから今回は四度目だ……と断言する前に、まずは少々説明を。 今回、とはもちろん映画『メッセージ』(監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本エリック・ハイセラー、合衆国公開2016年)のことで、それ以前の三つは1977年11月、1945年11月、そして1492年10月に発生してい
「この世はなべて一幕の舞台、人はみな、男も女もただの役者に過ぎぬ。」 シェイクスピア『お気に召すまま』第二幕第七場 All the World's stage, and all the men and women merely players. ※本エントリでは映画「メッセージ」ならびにその原作小説「あなたの人生の物語」の核心に触れます。未視聴・未読の方は閲覧しないことを強く推奨します。 「メッセージ」は驚くほど誠実な「あなたの人生の物語」の映像化作品であったように思う。そりゃあいろいろと改変されている部分はあるが、それは「改変しないと、要素を足さないと映画にならない」部分にとどまっていた。さらに、ある指摘から、チャンの原作に込められていたある寓意を、とても巧みな手段で映像に昇華しているのではないかという仮説に至ったのでちょっと書きつけておこう。 宇宙船の中の、ヘプタポッドと人間が対面する
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く