この夏、大変な暑さなのに、ビール大手は春に価格を据え置いたサントリーを除いて苦戦、アサヒとキリン、サッポロビールは今年の販売量を前年比3〜6%減少と目標に置いているそうです。加えて消費者の節約指向をうけて、各社揃って今年後半は値段の安い「第3のビール」に力を入れると、昨日から今日、メディア各社が報じました。もはや本物のビールなど、どうでもよくなって来ているのでしょう。 1997年に始めた私の連載は第3回「ビール戦争・地ビール・自ビール」以来、折にふれてビールの話題を追いかけてきました。2000年の第89回「ビールから離れつつある発泡酒」のころに既にこの業界の動向に危うさを感じ、2005年の「食文化に背を向けたビール業界の悲劇 [ブログ時評25] 」で「自ら築いてきたビール文化を貶めているように見える」と批評したものです。 先日、サイエンスポータルの「オピニオン」で、脂質膜による味覚セン