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ブックマーク / movie.maeda-y.com (12)

  • 超映画批評『ゴジラ-1.0』90点(100点満点中)

    『ゴジラ-1.0』90点(100点満点中) 23年/日/125分 公開日:2023/11/03 配給:東宝 監督:山崎貴 出演:神木隆之介 浜辺美波 山田裕貴 ≪『シン・ゴジラ』を超える、タイムリーかつ熱いドラマ≫ ハリウッドとの間に大人の事情があるなどと言われるが、『シン・ゴジラ』から7年間も国産ゴジラ映画が作られなかった最大の理由は、あまりに『シン・ゴジラ』の評判が良すぎて、下手なものを作るわけにはいかなかった東宝サイドの責任感によるものだろう。 そして、それだけのことはあった。『ゴジラ-1.0』は『シン・ゴジラ』と比べても劣らない、むしろ部分的には上回るほどの映画作品であり、世界中のゴジラファンやハリウッド版のスタッフらに、日映画人の矜持を見せつけた恰好となっている。 戦後数年がたち、ようやく復興し始めた日。特攻隊の生き残りである敷島浩一(神木隆之介)は、戦中の混乱の中で出会

    fusanosuke_n
    fusanosuke_n 2023/11/03
    “縮小版のゴジラが主人公らのちっぽけな掃海艇に迫る場面は、まさに日本人大好きサメ映画のフォーマットそのものである。”
  • 超映画批評「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」70点(100点満点中)

    「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」70点(100点満点中) 監督:三池崇史 出演:山崎賢人 神木隆之介 奇妙な映画ではあるが 「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」は、実写映画化の発表からはじまり一つ一つビジュアルが発表されるたび、原作ファンの間では不安しか湧きあがらない話題の大型企画である。もっとも、誰が見ても東方仗助の髪型はじめ、静止画で見るとひとつも納得できるものがなかったのだから、それもやむなしであろう。 杜王町で暮らす高校生の東方仗助(山崎賢人)は、母(観月ありさ)と祖父(國村隼)の3人で仲良く暮らしている。あるとき彼の前に甥を名乗る年上の男、空条承太郎(伊勢谷友介)が現れ、仗助がジョセフなる老人の息子であり、自分と同じくジョースターの血統を継ぐものだと伝える。さらに承太郎は仗助のそばに立つ「悪霊のようなもの」の正体を彼に教えるのだった。

  • 超映画批評「バクマン。」40点(100点満点中)

    「バクマン。」40点(100点満点中) 2015年/日/カラー 配給:東宝 監督:大根仁 原作:大場つぐみ、小畑健 脚:大根仁 キャスト:佐藤健 神木隆之介 小松菜奈 桐谷健太 青春映画風味だが 週刊少年ジャンプというものがいかに特別ですばらしいかを世に示した大場つぐみ&小畑健の漫画「バクマン。」だが、その映画版は期待と実現ポイントが微妙にずれる残念な結果となった。 クラスメイト高木秋人(神木隆之介)に「一緒に漫画家になろう」と誘われた真城最高(佐藤健)。彼らは漫画家だった最高の亡き叔父の仕事部屋と道具を使い、作品を仕上げ、漫画界の頂点週刊少年ジャンプの編集部へと持ち込みする。向こう見ずな二人の長きチャレンジは、今始まったばかりだ。 観客、読者、映画監督と、それぞれにこの原作漫画のどこをおもしろく読んだか、映画になにを期待しているかが微妙に異なるのは当然のこと。私は、人気原作はそれを育

  • 超映画批評「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」30点(100点満点中)

    「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」30点(100点満点中) 監督:樋口真嗣 出演:三浦春馬 長谷川博己 水原希子 ファンをないがしろにした報い 諫山創の人気漫画の実写映画版として期待されていた前編「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」は、当サイトの批評文に樋口真嗣監督が激しく反応したことで炎上騒動を巻き起こした。関係者やスタッフの度重なる燃料投下でそれは大火となり、結果として初動50億の興収を期待されながらいまだ30億程度と、ファンにそっぽを向かれる結果を招いた。今頃映画会社の偉い人たちは、頭を抱えていることだろう。 100年以上ぶりに現れた人い巨人たち。崩壊した壁を修復すべく調査兵団が奮闘する中、アルミン(郷奏多)をかばったエレン(三浦春馬)はなぜか巨人化し、他の巨人を攻撃し始めた。それを見た人類側の生き残りは、敵か味方かわからぬエレン

  • 超映画批評「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」40点(100点満点中)

    「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」40点(100点満点中) 監督:樋口真嗣 原作:諫山創 出演:三浦春馬 長谷川博己 水原希子 映像面の優位を活かせぬもどかしさ 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」は、マンガをそのまま実写にするといろいろとリアルじゃなくなるから、そうならないよう時には大胆に変えていこう、とのコンセプトで作られたそうである。 なるほど、原作者自身も関わって脚づくりなどを行った理由としては、それは大いに理解できる。そういうことなら大幅な改変もやむを得まい。 100年以上前、あらわれた巨人に人々はわれ、滅びかけたという。いまや、残った人類は高い3重の壁の中でひそかに暮らしている。それでも外の世界が気になる冒険心あふれるエレン(三浦春馬)を、優しいミカサ(水原希子)はいささかの心配を持って見守るのだった。そんなとき、衝撃とともに壁の向こうに何かが現れる。

    fusanosuke_n
    fusanosuke_n 2015/07/31
    前田氏は規範批評に徹しているので却って参考になることが多いのだ。
  • 超映画批評「バケモノの子」55点(100点満点中)

    「バケモノの子」55点(100点満点中) 監督:細田守 声の出演:役所広司 宮崎あおい 小さい子を持つ父親の理想像 前作「おおかみこどもの雨と雪」で出産と育児の喜びを母親目線で描き、女性たちの絶大な支持を得た細田守監督は、新作「バケモノの子」でこんどは父子関係の映画を作った。「おおかみこどもの雨と雪」の次回作としては、無難な企画といってよい。 あてもなくうろつく家出少年(声:宮崎あおい)は、渋谷の路地で熊徹(声:役所広司)なる化け物に出会う。彼の言葉にひかれるように追いかけた少年は、いつしか「渋天街」というバケモノの世界へと迷い込むのだった。 「おおかみこどもの雨と雪」を見て期待してやってきたようなライトユーザーであれば、そこそこの満足と感動の涙を流して帰路につけるであろう、安定した出来のアニメーション映画である。 いかにも小さいお子さんがいるお父さんが作った映画という感じで、熊徹と九太の

    fusanosuke_n
    fusanosuke_n 2015/07/05
    普通にオタ向けアニメ作れば上手いのに合ってないジブリ路線をやらされることになった細田の不幸。
  • 超映画批評「ベイマックス」55点(100点満点中)

    「ベイマックス」55点(100点満点中) 監督:ドン・ホール 声の出演:ライアン・ポッター スコット・アツィット 大人の気晴らしでしかない 「アナと雪の女王」が空前の代ヒットを記録したディズニーアニメーションの、注目された次回作「ベイマックス」は、海外市場で群を抜いた興収を記録した日に感謝するかのごとき、日推しの内容である。 14歳のヒロ(声:ライアン・ポッター)は、愛するキャスおばさんのもと、兄のタダシ(声:ダニエル・ヘニー)と幸せに暮らしていた。ヒロには天才的な科学の才能があり、兄の通う大学の研究室でも仲間たちの研究に目を輝かせていた。ところがあるときタダシの身に大変なことが起こり、彼の運命は一変する。 日スタッフ主導の主題歌推しプロモーションでアナ雪が大ヒットしたため、個人的には「ベイマックス」の宣伝戦略に注目していたが、意外なほどにアメコミ色を消した宣伝に再び驚かされることに

  • 超映画批評「寄生獣」25点(100点満点中)

    「寄生獣」25点(100点満点中) 監督:山崎貴 出演:染谷将太 深津絵里 これじゃない感が強い 岩明均の原作コミックを実写映画化した「寄生獣」はこの秋一番の大作として期待される話題作。だからこそ大ヒット請負人の山崎貴監督で挑んだわけだが、残念ながら失敗作に終わった。 のちにパラサイトと人類が呼ぶことになる奇妙な寄生生物に脳をい破られる寸前、とっさの判断でい止めた高校生・泉新一(染谷将太)は、しかし右手に寄生されてしまう。はからずも共生関係となったその生物をミギー(声:阿部サダヲ)を名付けた新一だが、他の寄生された者たちは他の人間を料とすべく、周囲の人々をひそかに襲い始めていた。 脳すなわち人間らしさを残したまま寄生獣の力を得た人間の高校生が、100%寄生獣となった元人間たちと戦うホラー風味のアクションドラマ。この「人間らしさ」と母性の関係性というものが、重要な物語の要素となっている

  • 超映画批評「風立ちぬ」40点(100点満点中)

    「風立ちぬ」40点(100点満点中) 2013年7月20日 全国東宝系 2013年/日/カラー/126分/配給:東宝 原作・脚・監督:宮崎駿(「月刊モデルグラフィックス」連載) 音楽:久石 譲(サントラ/徳間ジャパンコミュニケーションズ)  主題歌:「ひこうき雲」荒井由実 (EMI Records Japan) 声の出演:庵野秀明 瀧美織 西島秀俊 西村雅彦 演技を否定する斬新なキャスティング この夏、どころか年度ナンバーワン候補筆頭である作は、「紅の豚」(92年)以来の飛行機映画ということで、強く期待されている。何しろ宮崎駿監督が無類の飛行機マニアであることは、いまや一般の人でも知る有名な事実。作も監督の趣味全開、伸び伸びと作った楽しい作品になるだろうと思うのは当然だ。しかし、そんな風に素朴に期待する人にとって作は強力な地雷になりかねない。 幼いころから飛行機が好きで、いつ

  • 超映画批評「おおかみこどもの雨と雪」40点(100点満点中)

    「おおかみこどもの雨と雪」40点(100点満点中) 2012年7月21日公開 全国東宝系 2012年/日/カラー/117分/配給:東宝 監督・脚・原作:細田守 脚:奥寺佐渡子 キャラクターデザイン:貞義行 声の出演 宮崎あおい 大沢たかお 黒木華 西井幸人 林原めぐみ 意欲的な試みも不協和に終わる 細田守監督の最新作は、おとぎ話のなかにリアルな出産子育ての物語を入れ込むという、極めて意欲的な作品である。 これを監督は、子供たちにとっては楽しいおとぎ話、若者にとっては、子育ての驚きと憧れ、そして親たちには子供の成長を懐かしがれるようにと、全年齢向けにアピールすべく脚を作り上げた。 だが、それらはもともと混ざり合うことのできない要素であった。また、その試みにアニメーションというジャンルや彼のタッチが適切だったかについても疑問が残る。 大学生の花(声:宮崎あおい)が恋に落ちた男性は狼男

  • 超映画批評『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』25点(100点満点中)

    『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』25点(100点満点中) 2011年5月28日公開 2011年/日/カラー/111分/配給:東映/ ワーナー・ブラザース映画 原作:手塚治虫 監督:森下孝三 脚:吉田玲子 歴史アドバイザー:ひろさちや 声の出演:吉永小百合 堺雅人 観世清和(能楽観世流二十六世家元) 黒谷友香 吉岡秀隆 水樹奈々 ≪大人には物足りず、子供には後味悪い≫ 「手塚治虫の」などと有名人の名前がタイトルについていると、とたんに不安になるわけであるが、作はそんな私の超高精度危険物探知アンテナの実力がみごとに証明されたダメ作であった。 2500年前のインドに、世界を変えると予言される男子が誕生した。緑豊かな釈迦国の王子ゴータマ・シッダールタ(声:吉岡秀隆)は、そうした期待にそぐわぬ心優しい少年へと成長してゆく。だが隣国のコーサラ国は釈迦国を狙い、軍勢を整えている。そんなきな

  • 超映画批評『ジャッカス3D』0点(100点満点中)

    『ジャッカス3D』0点(100点満点中) 2011年5月6日、シネマサンシャイン池袋ほか全国公開 2010年/アメリカ/カラー/94分/配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン 製作:スパイク・ジョーンズ、ジェフ・トレメイン、ジョニー・ノックスヴィル 監督:ジェフ・トレメイン 出演:ジョニー・ノックスヴィル バム・マージェラ スティーヴォー クリス・ポンティアス ウィーマン ≪この点数以外はむしろ失礼にあたる≫ 福島原発敷地内に普段着で出かけて、そこで放射能を浴びると健康に良いと主張する博士が大人気のようである。おそらく実験の途中で人間とゴジラを間違えて数えてしまったんだと思うが、高名な文化人らも入信するなど大繁盛している模様だ。 このほかにも、1か月以上も発表に手間取ってるわりに、スピーディなどという冗談みたいな名前のシステムがあったり、最近の日は芸人泣かせの天然キャラが跋扈している

    fusanosuke_n
    fusanosuke_n 2011/05/05
    >私が気に入ったのは「孫娘へのキス」。正義感の強そうな若者の前で行うドッキリカメラだが、血縁関係があると思しき爺様とロリ少女が延々と18禁な行為をする様子は、この国ではまったくもってシャレにならない。
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