多摩動物公園(東京都日野市)は12日、人工保育されたチンパンジーの赤ちゃんが、群れに入ることに成功したと発表した。チンパンジーは人に育てられる期間が長くなると他のチンパンジーとなじみづらくなるとされ、2歳で大きな群れに入ったのは国内で初めてという。 このチンパンジーは08年7月に生まれたオスのジン。初産だった母親が育児放棄したため、生後間もないころから飼育係に育てられた。同園は人との接触を最小限にとどめる一方、おり越しにチンパンジーの声を聞かせたり、においをかがせたりした。 この結果、09年11月からメスのサザエを「養母」に見立てての同居に成功し、今年4月にはリーダーのケンタとも同居。6月に群れ入りを果たした。 チンパンジーはあいさつやルールなどを母親から学び、群れの中で育ちながら社会性を身につけるという。同園は「早くからチンパンジーと『接触』させたことが成功につながった」と話している。【