JASRACシリーズもこれで一応の結末となる。前回まで、JASRACは官によって「規制」されないと言う事を中心に書いてきた。特殊法人でありながら主務官庁の下にはおらず、規制緩和によって文化庁による足かせが外されたという事を見てきた。では、JASRACは野放し状態なのだろうか。形式的には、そんな事はない。JASRACを縛るものは、きちんと用意されている。敢えて「形式的」と言ったのは、その用意されている足かせを私たちが上手く使いこなしていないからだ。 規制緩和と言うのは心地よい言葉であるが、規制緩和が裏に隠し持っている大きな意味を多くの人は気が付いていない。規制緩和というのは「官僚から権限をはぎ取る」訳ではなく、「官僚が持っていた権限を民が受け継ぐ」と言う事なのである。具体的には、著作権等管理事業法の第二十三条を利用する事により、利用者はJASRACを縛ることができる。 第五章 使用料規程に関