最も好きな漫画は何か、という問いがあれば何と答えるだろう。 今日に至るまで、数多くの名作が産み出されており、一作に絞ることなど到底できようはずもない。 しかしながら、最も好きなギャグマンガは?という問いには答えることができる。そう、夜王である。 2003年、新宿、歌舞伎町に座り込む男、的場遼介――金も、コネも、何も持たずに北海道から出てきた彼に「東京」の街は冷たかった。しかし、世界的デザイナー加納麗美との出逢いが彼の人生を劇的に変化させる!! 欲望が蠢く街、歌舞伎町が今、「伝説の男」を生み出す!! コミックシーモアより と、未読の方にはあらすじだけ紹介しても伝わりづらいかもしれないが、この夜王という作品、令和の現代においても通用するほどの、「笑い」の経典としてその地位を不動のものとしている。 勿論、直接的にギャグとして描かれているわけではなく(いくつか笑いに走ったシーンがあるようにも見える