避妊具として広く認識されているピルですが、実際にどのような働きをするかを知っている方はあまり多くないのではないかと思います。避妊できないケースについて知るために、「なぜピルが避妊をしてくれるのか」といったメカニズムについて改めて学んでおきましょう。 ピルの主成分は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロ)という本来卵巣から分泌される2つのホルモンと似た物質を化学合成して作られています。卵胞ホルモンと黄体ホルモンが高いレベルで分泌されるときというのは身体が妊娠状態にあるとき。つまり、この2つのホルモンに似た働きを持つピルは、身体を妊娠中に近い状態にさせ、脳を錯覚させてくれるのです。 妊娠したと錯覚した脳は、視床下部や下垂体からのホルモン分泌を停止。通常の妊娠中と同様に、卵胞の成熟と排卵とを止めます。そもそも妊娠の前段階である受精は、排卵時に精子が卵子に結び付くことによって成