製造業では、熟練技能者の不足や人件費の高騰を背景に、人の経験や感覚を必須とし、人に依存していた搬送、組立、検査工程などの自動化が急務となっている。 特に製品の外観検査においては、さまざまな色や大きさのキズの判別、良品自体が大きくばらつく場合の欠陥品の判定など、経験豊富な熟練技能者の感性と経験が必要になる。人と同じように対象物の特徴を認識でき、判断基準を自動で学習できるAIに期待が高まっているが、実用化にあたっては、膨大な画像データを用意し学習させなければならず、またAIエンジニアの確保と特別なAIハードウェアを現場に設置する必要があるなど課題があり、導入が進んでいないのが現状という。 オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部 センサ事業部 第2開発部 部長の竹川肇氏は、「人はモノを見るときにいろいろな見方をする。たとえば全体をぼやっと見たら見えてくる、背景