先週の本コラムでは、安倍政権・財務省が「経済再生と財政健全化の二つを同時に達成する」と自画自賛している2015年度の政府予算案が、昨年4月の消費増税という国民負担増大の賜物にもかかわらず、歳出・歳入の両面で抜本改革を先送りしたものに過ぎないことを明らかにした。 GDPが15兆円「水膨れ」する 今週は、政府・財務省がなぜ、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を2015年度に5年前の半分以下にするという財政健全化目標の達成にそれほど揺るぎのない自信を持てるのか、という背景を紹介したい。実は、あまり知られていないが、マジックとでもいうべき“秘策”が存在するのである。 その秘策とは、内閣府が検討を進めているGDP(国内総生産)の算出基準の改訂だ。これまで計算に入れていなかった民間企業のR&D(研究開発)費用を加えることが目玉で、これによって2015年度の名目GDPはこれまでより約15兆円も
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