アル・ディアスを知っているだろうか? ディアスは2人組のグラフィティアーティストのひとりで、1970年代後半のニューヨークで活動した。ともに才能に恵まれていた2人は高校で出会った。 彼らがマンハッタン中にスプレーで描いたグラフィティは大きな反響を呼んだが、コンビを解消した後、ディアスはすぐにアート界から忘れられた。彼はいまも現役だが、キャリアの頂点は40年前だった。 一方、ディアスの相棒だったジャン=ミシェル・バスキアは、後に空前の成功を収めた。バスキアは1988年、27歳のときに薬物のオーバードーズ(過剰摂取)で急逝したが、いまでもその作品には数千万ドルの値がつく。 ではなぜ、この2人のアーティストは、まるで正反対の運命をたどったのだろう? 傑作とよばれる作品がある一方、忘却の彼方に消える作品があるのはなぜか? なぜ、ある歌手の楽曲だけが傑出して売れるのか? 広く反響を呼ぶ科学研究の影で