地球温暖化への懸念などから、地球規模での炭素循環の理解に関心が集まっている。炭素は空気中や海中の二酸化炭素や植物・動物などの生体物質として含まれるなど、地球全体を循環している。 今回、物質・材料研究機構の研究グループはそのような循環以外に、「ハイドロタルサイト」と呼ばれる粘土鉱物が空気中の二酸化炭素をあたかも「呼吸」しているかのように吸ったり、吐いたりしていることを発見した。 ハイドロタルサイトは、天然に産出する粘土鉱物の一種で、マグネシウムとアルミニウム、炭素、水素などの元素からなる層状化合物。層間に陰イオンを取り込む性質がある。その性質から胃酸を中和する制酸剤や、塩化ビニールの安定剤などに利用されている。 この研究グループはハイドロタルサイトの層間に存在する炭酸イオンの動態を調べた。その結果、炭酸イオンは空気中の二酸化炭素と、数日から1週間程度で入れ替わっていることが分かった。さらにハ