ITアーキテクトが作成する成果物に注目し、何のために作るのかを明らかにします。システム開発のライフサイクルを軸にし、今回は要件定義工程を対象にします。要件定義工程では、主に次の5つの成果物を作成します。 (1)Vision Document (2)利害関係者マップ (3)概念機能モデル図・概念データモデル図 (4)非機能要件定義書/品質特性シナリオ (5)グランドデザイン ポイントは「ビジネス視点」と「システム視点」の両方を持つこと。技術者は総じて「How(どのようにつくるか)」への思考(=システム視点)が先行しがちです。これでは「間違ったものを正しくつくる」ことになってしまいます。それを避けるには、「Why(なぜつくるのか)」と「What(なにをつくるのか)」を明らかにすること、つまり、ビジネス視点を持つことです。 ITアーキテクトは、アーキテクチャー設計に対する「説明責任」が伴います。